日本家族心理学会では、年に一度大会が催されています。家族心理学領域のアカデミックな発展に寄与することを目的に設立された日本家族心理学会の、メインイベントのひとつです。日本家族心理学会の大会では、どのようなことがテーマとして取り上げられているのでしょうか。また、開催に至った経緯やそのねらいまで、ご紹介します。

日本家族心理学会の大会とは?

日本家族心理学会の大会は、家族心理学領域の研究や心理療法についての重要な発表の機会と言えるでしょう。学会の活動の根幹とも言える家族心理学領域のアカデミックな発展に寄与することを目的としています。日本家族心理学会の大会はどのような経緯で開催に至ったのか、またどのような参加者がいるのか、周辺事情をご紹介します。

日本家族心理学会が年に一回開催する研究発表の場

日本家族心理学会の大会は、年に一回開催されている家族心理の研究発表の場です。例年7〜9月の週末3日間にかけて、会員が所属する大学のキャンパスを始めとした会場で行われます。会期中は基調講演を始めとして各クラスタに分かれての研究発表、そしてワークショップの開催…と、大規模に展開されます。大学教授を始めとする会員は、この日のために原稿の準備を着々と行い、おおよそ90日前までには大方のスケジュールが決定します。

日本家族心理学会の大会は初開催から30年以上が経過

日本家族心理学会の大会は初開催から既に30年以上が経過しており、歴史ある学会の大会としての位置づけが定着しつつあります。基調講演では、心理職従事者に限らず内外で活躍中の人物を招いて貴重な話を聴くことができ、またそれが大会へのインスピレーションとなっています。2019年の第36回大会では「家族・スピリチュアリティ・美」がテーマになり、家族心理をより深く見つめる内容でした。大会を通しての家族心理の探究は続きます。

全国の日本家族心理学会会員同士でコミュニケーションも

日本家族心理学会の学会では、研究発表やワークショップのほか懇親会も行われています。学びの場を離れて会員同士のコミュニケーションをとることも、家族心理をもとにしてつながった関係を暖めるのに大切です。懇親会は、例年各講演やワークショップの申し込みと共に申し込めるようになっています。ざっくばらんな雰囲気の中で、普段なかなかお話できない方ともコミュニケーションが取れるチャンスです。気軽に参加してみましょう。

日本家族心理学会の大会を開催する意義

日本家族心理学会の大会は年に一度開催され、既に30年以上経過しています。毎回盛況のうちに幕を閉じるこの大会ですが、開催する意義には果たしてどんなことが挙げられるのでしょうか。メリットがわかれば、参加するかしないかの判断材料になるでしょう。参加する会員にとってのメリットをご紹介します。

会員のスキルアップ

第一に挙げられるのは会員のスキルアップです。日本家族心理学会の大会には、その時点で最新の研究やワークショップが一堂に会します。心理療法に即した発表も少なくありません。実際の臨床でカウンセリングに従事する会員にとってはそれが新たな知識や気づきに結びつき、その成果を現場に摂り入れることができるのです。最新の知見をすぐさま吸収できる点は、会員のカウンセリングスキルを上げることに大きく寄与するでしょう。

家族心理学研究の成果を発表できる

日本家族心理学会の大会は、家族心理にかかわる研究成果を発表する場として30年以上の実績があります。このような場で発表するということは、内外に研究成果を広く知らしめることとイコールです。発表においては事前に学会への申告が必要なことから、公式な発表として認知されます。周囲の反応も見ることができます。自分の研究がどんなことに活かされるのかを身を以て感じられるまたとない機会が、日本家族心理学会の大会での発表なのです。

家族心理学研究において切磋琢磨できる

日本家族心理学会の大会は、家族心理やそれに関連する研究発表やワークショップの場として大規模です。家族心理にかかわる研究をする会員にとっては刺激になり、そして参考になります。発表した側の会員も、発表への反応をダイレクトに受け取ることができ、次の研究への足がかりをつくれます。こういった会員同志のシナジー効果が家族心理の研究や洞察を更に深いものにします。そして意見の交換が新しい発想を生み出すのです。

日本家族心理学会の大会で扱われる研究

日本家族心理学会の大会で扱われる研究にはどのようなものがあるのでしょうか。大会への参加申し込みでは、基調講演のほか個別に行われる講演やワークショップへ個々の申し込みが必要です。例年の傾向から、どのような講演やワークショップが行われるかをご紹介します。大会の申し込みをする際に迷うことがなくなるでしょう。

夫婦関係を始めとする家族のシステム

家族関係をシステムとして見る際にどのようなことが起こるのか、夫婦や親子、きょうだい同士の関係性が外部の人間関係にどのような影響を及ぼすのかなどをテーマにした研究発表や講演、ワークショップに参加することができます。これらは家族関係だけではなく、人間関係全般に連なるため、意義深いものになるはずです。参加を通じて自身の研究の参考にすることもできますし、新たな研究テーマへのインスピレーションになることもあるでしょう。

家族療法を中心とした心理療法・コンサルティング

家族療法やファミリー・カウンセリング、カップルセラピー、ブリーフセラピー、統合的心理療法など、家族心理学領域と言える心理療法は多々存在します。それぞれの心理療法が持つ基本の形を軸に行った様々な試みについての報告や研究結果発表が行われる場でもあります。心理療法は実践があり初めてその効果が測定されますので、実践を踏まえた報告は貴重な機会です。より多くの人々に活用される場として機能することが期待されます。

いじめ・パワハラ・モラハラ

いじめやパワハラ、モラハラなど、家庭に限らず人間の集団生活する場で起こり得る問題についても、毎年様々な観点からの発表が日本家族心理学会の大会で行われています。各メンバーの家庭で培われた家族関係が、学校や職場の人間関係にそのまま反映されるのはまさに家族心理のなせる業です。いじめやパワハラ、モラハラが発生するメカニズムや、それらの問題がいかにして場に定着するの解明は、集団が孕む根本的な問題解決に必要不可欠な要素なのです。

まとめ

日本家族心理学会の大会が開催されるようになった経緯や意義、実際に扱われているテーマをご紹介しました。家族心理を語り、扱うためにどのテーマも大切な要素であることが理解できましたね。また、実際に日本家族心理学会の大会に参加する際、どのクラスタに参加するかを検討する材料にもなるのではないでしょうか。