家族心理研究は、夫婦という中心的な存在から親子、兄弟、親戚などに起こる家族の問題を分析したり、事例研究したりされています。国立国会図書館には、この研究に関する書誌がデジタル化されており、専門家や学生、家族心理に興味のある方などが閲覧されています。

家族心理研究に関する国立国会図書館の書誌にある研究

研究から見える社会の実情をご紹介します。

自己愛人格と家族関係に関する研究

自己愛性パーソナリティ障害は自尊心の調節に困難のある障害です。そもそも自己愛を得るためには、家族をはじめとする周りの人から認められたり、自分は自分以外の人よりも優れているという思いを持ったりしなければなりませんから家族心理カウンセラーなどの専門家の治療を必要とします。自己愛性パーソナリティ障害者が事件を起こしてしまうこともあります。

自己愛人格の人とその家族との関係性を研究することは、この自己愛性パーソナリティ障害を理解する上でも非常に重要な研究になります。国立国会図書館の書誌の研究でも専門家によってもさまざまな事例が報告されていますが、この障害のある人に対してその家族や周りの関わり方や成長過程における留意点などは非常に重要になります。

家族ロール・プレイを用いた家族療法家のための研究

ロールプレイング手法(以下ロール・プレイ)については、家族心理などの心理カウンセリングにおいて用いられる手法です。別名、役割演技と言われ、さまざまな場面を設定して被験者とカウンセラーが動物や人になりきって、その心境の変化などを感じ取ります。子どもの教育で多く取り入れられ、集団に馴染めない、引きこもりがちな子どもに対して用いられる手法です。

専門知識やカウンセリングスキルを持つ家族心理カウンセラーにとっては、より多くの実践事例を求めています。それは、家族心理に関する相談などにおいては、ケースバイケースで、なかなか国立国会図書館の書誌にあるような先行研究が当てはまらず、問題解決に時間がかかっているからです。家族療法家にとってこの研究分析によって明らかになることは多いといえます。

登校拒否の家族療法事例

「うちの子どもは最近どうして学校に行きたがらないのか。」というきっかけで登校拒否(不登校)は始まります。この「最近」に注目すれば彼が学校に行かない原因がある程度は分かります。その原因究明のために家族療法がなされていますが、国立国会図書館の書誌にもある事例を見ても原因や家族心理カウンセリングの取り組み方もそれぞれ違います。

母子を中心に家族療法を行う場合に重要なことがフィードバックだといわれています、原因を出発点としてカウンセリングを行っていきますが、行き詰まりは必ずあります。そこでフィードバックしてもう一度原因に戻ります。そうすることで、新たなカウンセリングの道筋ができます。このフィードバックこそ家族療法にとって重要なことだとわかります。

家族システムの変化と家庭内暴力の解決事例

家庭内暴力は、一旦子ども等がそういうことを引き起こすと解決の方法が非常に難しいと言われます。この暴力が日常化して、家族心理カウンセラーなどに相談される方は多いですが、できるものなら日常化する前に早期解決できないものかという研究もなされています。この研究では、国立国会図書館の書誌の中でも稀な家族システムに変化を与えることで解決に導いた事例研究です。

家庭内暴力は子どもの心に何らかの刺激が与えられて、暴力という形で表現します。家族をシステムと捉えていろいろなパターンで子どもに接することで解決できるのではないかという研究です。この研究での解決事例で何を学ぶことができるのか、専門家も注目する事例研究内容になっています。

コミュニケーション様式の変化と登校拒否児の事例

登校拒否(不登校)の子どもは、そのきっかけとなった原因はさまざまですが、コミュニケーション様式の変化に注目すると解決に至る道筋が見えてきます。コミュニケーションは、私たちが生きていく上で非常に重要なスキルです。家族やプライベートと仕事とはコミュニケーションを使い分けなければなりません。

また仕事の内容によっては、コミュニケーション能力が必須ということもあります。このコミュニケーション様式は時代とともに変化し、電子メールやラインという相手を知らなくてもできるようになっています。コミュニケーションの変化が登校拒否の子どもを生み出しているのかもしれません。国立国会図書館には、このように登校拒否の子どもを扱った事例が家族心理の視点で研究されています。

アルコール依存症の家族療法の研究

アルコールやギャンブルなどの依存症は、その家族が家族心理カウンセラーなどにカウンセリングを求める人が多いです。この依存症は簡単に治るものではなく、繰り返しの治療が必要であるとも言われています。アルコール依存症の怖いところは、本人の体や心に不調をきたすだけではなく、家族に対しての暴力や経済的影響をもたらします。

家族療法でアルコール依存症の人を治療する場合には、家族心理カウンセラーなどの専門家によるカウンセリングが必要ですが、依存症で入院して治療を受けても、それを繰り返す人が後を絶たないのが現状です。専門家や家族が、本人の意識の変化や家族の努力などについて、家族療法の体験を通して学ぶことができるという国立国会図書館の書誌です。

家族心理研究に関する国立国会図書館の書誌情報について・まとめ

国立国会図書館では、家族心理研究をはじめとする心理学についての多くの書誌を閲覧できます。特に、家族心理学はまだまだ歴史も浅く、現在でも専門家による多くの事例研究がなされています。国立国会図書館では、国内だけでなく海外の研究資料や情報が保存されています。家族心理カウンセラーの資質向上、問題を抱える家族の取り組みにヒントを与えてくれるでしょう。