家族心理教育プログラムに参加してみたい、または家族心理教育プログラムを実施したいと思っても、家族心理教育プログラムがどういったものなのかわからないと途方に暮れてしまいます。そこでこの記事では、家族心理教育プログラムがどういうものなのか、具体的な流れを交えて詳細に解説していきます。

家族心理教育プログラムとは

家族心理教育プログラムとは、本人だけアプローチするのではなく、家族に心理教育を行って理解を促す援助方法です。家族心理教育を行うためのプログラムを作成し、参加家族に講義やグループセッションといったことをやってもらいます。家族心理教育プログラムを行うことで、本人と家族の連携がスムーズにいくというメリットがあります。家族の無理解で二次的に困難を抱えている人も多く、家族心理教育を行うことで病気の母に対して息子が理解を示し、家庭内暴力が減って母の精神が安定するようになった事例もあります。

また、家族心理教育プログラムは、家族自身の気持ちが楽になるきっかけにもなります。病気の家族を抱えることで、家族が自分を責めたり、無力感に襲われて憂鬱になったりすることは珍しくありません。例えば子供が引きこもりになったことで、自分の育て方が悪かったと感じて自分を責めるというケースなどがあります。家族が後ろ向きになることがなくなり、前向きに本人と関わろうとする意志を育むのが家族心理教育プログラムなのです。

家族心理教育プログラムの3つのタイプ

家族心理教育プログラムには大まかに3つのタイプがあるのでご紹介します。

教育タイプ

講義形式で病気への理解を深めてもらう家族心理教育プログラムです。比較的時間が短くて済むというメリットがあります。ただし、一方的に講義を行っても家族は内容が頭に入ってきません。質問の時間や病気について詳しく話し合う時間を設けるとか、じっくり資料を読んでもらって感想を発表してもらうといった時間を作るような工夫をすることが求められます。

教育+グループワークタイプ

病気の理解を深めるための教育とグループワークを合わせた家族心理教育プログラムです。講義形式で病気について理解を深めてからグループワークによって他の参加者と一緒に話をして自分の気持ちを話したり、問題解決の方法を考えたりします。短い時間でやるタイプの場合は、グループワークと教育部分を合わせてやります。機材や道具を使って行うことで、メリハリを持って家族心理教育を行うことができます。

このタイプの家族心理教育プログラムを行うコツとしては、重要なことは繰り返して伝える、一気に情報を与えて混乱しないようにすることです。大事なことを一つずつ伝えていくことによって、家族が病気を理解することができるのです。また、病気の内容だけではなく、コミュニケーションのコツやストレスとの付き合い方などにも触れていきます。

教材配布タイプ

教材を配布して読んでもらうことで本人や家族に病気について理解してもらうという方法です。日程を決めて開催される他のプログラムと異なり、家族カウンセリングの中で時間を設けて分けて行うイメージです。教材を読んで疑問に思ったことを話してもらい、理解を深めていきます。その場で読んでもらって話す、家で読んできてもらって話すという方法があります。

家族心理教育プログラムの具体的な流れ

次に、家族心理教育プログラムの具体例を見ていきましょう。ここでは標準的なグループワークについて解説します。グループワークは、10組前後の家族を1グループとして構成します。頻度は月1、2回程度で、時間は2時間前後が目安です。各グループにはスタッフが数人つき、プログラムを進めていきます。グループワークの具体的な流れは以下になります。

  1. アイスブレイク→まずはアイスブレイクとして簡単に話をしてもらいます。最近良かったと感じたことや、安心したことなどを気軽な気持ちで話してもらいます。当日の流れの説明や、前回のおさらいなどをやることもあります。
  2. テーマ決め→今回の家族心理教育プログラムで話したい内容を決めます。各家族が相談したいことを話し、緊急性が高いものや、共通している内容を元にしてテーマを決定します。
  3. テーマについて共有→テーマを決めたら、次は共有です。相談したい人に、より具体的に相談内容を話してもらいます。どういうことに困っているのか話してもらい、他の参加者は疑問点を質問してみんなで共有していきます。
  4. アイデアを出し合う→テーマを共有したら、今度は参加者全員で解決方法を模索します。アイデアが出たらボードなどに記入して、全体で見れるようにします。ちょっとした自由な会議のようなイメージです。相手を否定することはせず、各々が自由に思いついたことを話します。
  5. 解決方法を選択する→今回の相談者がアイデアの中から解決方法を選択して、思うことを話します。相談者が前向きに頑張れるきっかけになります。
  6. ロールプレイ→ひきこもりに対する支援などの場合、家族同士でのロールプレイがプログラムに組み込まれていることがあります。ポジティブなコミュニケーションをとるための練習を行います。こうすることで家族の対処能力が向上し、本人に対してスムーズにコミュニケーションをとれるようになります。
  7. 締め→最後にグループ全体で今回の家族心理教育プログラムについての感想を言い合って終了です。グループで各々の気持ちを共有する意味があります。穏やかな雰囲気の中終われば、参加者は満足して家族心理教育プログラムを終えることができます。

家族心理教育プログラムは家族が元気を取り戻すためにある

家族心理教育プログラムは、家族が病気への理解を深めて、積極的に行動できるようにするための支援です。家族心理教育プログラムは、本人や家族が元気を取り戻すためにあります。カウンセラーは家族心理教育プログラムを行う際には、一方的な知識伝達にならないように気を付ける必要があります。偉そうな先生になってはいけません。あくまでも家族が元気になって前向きに頑張れるようにするためのプログラムなのです。そのことを忘れないようにして支援しましょう。