家族心理学について学んでいるときに、FPEという言葉を耳にすることがあるでしょう。しかしながら、アルファベットだけの言葉で、どういう意味なのか想像もつきません。今回は、初学者の方のために、FPEについて解説していきます。

FPEの意味は

FPEとは、Family Psycho-educationの略称で、家族心理教育という意味になります。つまり、家族心理教育とFPEには違いはなく、日本なのか英語なのかという差しかありません。家族心理教育プログラムのことをFPEプログラムと言う場合もあります。家族心理学や家族心理教育に関わりたいと思う人は、必ず意味を把握しておきたところです。

FPEとは何か

前述のように、FPEは家族心理教育のことです。FPEは元々海外で行われていたもので、エビデンスがあるとされているきちんとした援助方法です。日本では家族心理教育プログラムとして、病気や困難を抱えている人とその家族を対象として支援を行っています。家族心理教育プログラムは日本でも行われており、心理教育・家族教室ネットワークという団体もあるくらいです。1990年代から徐々に日本で紹介され、2000年前後から論文でも具体的な効果やプログラムの内容について検討されるようになりました。

家族心理教育(FPE)プログラムをやるメリットは

家族心理教育(FPE)プログラムをやるメリットにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、主な家族心理教育(FPE)プログラムのメリットについて2つ解説します。

本人が過ごしやすくなる

まず、病気で苦しんでいる本人が過ごしやすくなるというメリットがあります。家族は本人にとって一番身近な存在です。その家族が病気について理解してくれれば、どれだけ過ごしやすくなるのかは想像に難くないでしょう。逆に家族が無理解だとつらい思いをすることも、容易に想像がつきます。家族心理教育(FPE)プログラムを家族が受けることによって、本人に適切に対処できるようになり、本人が過ごしやすくなるように感じるというわけです。結果として病気の改善につながる、抑うつなどが二次的に起こらなくなるというメリットもあるなど、本人にとってかなり助かることがわかります。

家族の元気が出る

病気で苦しんでいるのは本人だけではありません。家族も同様につらい思いをしていることが多いです。自分自身で家族を救えない無力感、誰にも頼れない孤独感などに心が押し潰されそうになる家族は多いです。家族心理教育(FPE)プログラムは、そんな家族のつらい気持ちを受け止め、後押しするメリットがあります。病気について理解が深まれば、不用意に自分を責めることがなくなります。本人とうまくコミュニケーションをとれるようにもなります。結果として家族に元気が戻り、前向きに本人と関わっていこうという気持ちなることができるのです。

家族心理教育(FPE)プログラムを実際に受けた人にはどのような効果があるのか

家族心理教育(FPE)プログラムは今解説したメリット以外にも、いくつか効果が出ることがわかっています。ここでは家族心理教育(FPE)プログラムを受けることによって生じる効果について解説します。

できることが増える

家族心理教育(FPE)プログラムを行うことで、家族は自分ができることが増えます。家族心理教育(FPE)プログラムの中でいろいろな人の考え方に触れることで「そんな考えがあるのか」「ここはそうすれば良かったのか」といった気づきを得られるためです。自分の中で思考の選択肢が増え、行動の幅が広がります。

心の余裕が生まれる

家族心理教育(FPE)プログラムでは、同じように苦しんでいる家族との出会いがあります。今まで自分たちだけで苦しんでいてネガティブなことばかり考えていた人も、同じような仲間がいることに気づき、気持ちが楽になります。また、家族心理教育(FPE)プログラムでは良かったことを挙げたり、前向きに解決に向けて考えたりするので、ネガティブ思考からポジティブ思考へと思考がシフトチェンジするきっかけになります。仲間を得た安心感と前向きになることがゆとりを生み出し、心の余裕へとつながるのです。

どう変わればいいかわかる

家族は苦しみに縛られたような状態であり、どうすればいいのかわからなくなっています。それが家族心理教育(FPE)プログラムに参加することで、自分がどう変わればいいのかわかるようになるのです。どのように本人に接するのがいいのかなどと考えることで、今後の自分の方向性を見つけることができるというわけです。

家族心理教育(FPE)プログラムは本人と家族の未来を形作る

病気や困難を抱えている人やその家族は、いまの状況でいっぱいいっぱいで未来を見れないことが多いです。こんな状況があと何年続くのかという気持ちになって、絶望するような気持ちになっている人もいるくらいです。家族心理教育(FPE)プログラムによって前向きな気持ちになれば、家族は本人と向き合うことが大事だということがわかります。本人と向き合うことができれば、自分と家族の未来について考えられるようになります。もっと自分の時間を大事にしようとか、将来は家族でこんなことをしたいと考えるようになるのです。家族心理教育(FPE)プログラムによって家族は夢と希望を持てるようになります。家族心理教育(FPE)プログラムは本人と家族の未来を形作るのです。

FPEと家族心理教育はほとんど同じ

FPEは、Family Psycho-educationを省略したものです。日本語に訳すると家族心理教育となり、FPEと家族心理教育が同じ意味だということがわかります。日本では家族心理教育(FPE)プログラムとしてプログラムが組まれ、病気や困難を抱えている人とその家族を包括的に援助する方法として用いられています。家族心理教育(FPE)プログラムは家族に元気を与え、明るい未来を想像する役割を果たしています。家族カウンセリングを行う援助者は、うまく家族心理教育を利用して、家族全体の援助を行っていきたいところです。