家族心理は日本にその存在が知られてからあまり時間が経っておらず、研究が進んでいる分野とは言えない状況です。このような現状を鑑み、日本における家族心理の普及を行うために、日本家族心理学会があります。

日本家族心理学会では、家族心理の研究成果などを発表する機会などがあり、日本における家族心理の発展に寄与する組織です。また、これらを母体に資格認定の組織なども設立されています。

この記事では家族心理研究を行う「日本家族親類学会」について解説します。

日本家族心理学会とは

「日本家族心理学会」とは、家族心理学の研究と実践を推進し、それらの進捗や普及を目指すことを目的に1984年4月に設立された機関です。東北大学の大学院にて家族心理を研究している若島孔文氏を代表理事とし、様々な大学教授や心理研究センター職員などが役員として名を連ねます。

2017年4月には一般社団法人となり、より一層の活躍が期待される機関です。

日本家族心理学会の主な目的

日本家族心理学会の主な目的は以下の3つが上げられます。

  • 家族心理学のアカデミックな研究の推進
  • 家族療法やカップルセラピーなど家族に対する臨床技法の展開を行う
  • 家族としての危機を防ぎ、家族心理教育の普及

まだまだ日本において認知度が低い家族心理の普及を教育機関を始め、あらゆる場所で教育や実践が行えるようにすることを目指しています。

日本家族心理学会の入会方法

日本家族心理学会に入会することで学会への参加が行えるようになります。しかし、誰でも必ず入れるというわけではなく、日本家族心理学会へ入会するためには資格や入会金などが必要になります。

ここでは日本家族心理学会への入会方法を紹介します。

入会資格

入会資格においては以下の1~4のいずれか1つに該当している必要があります。

  1. 大学学部において心理学を専攻し、卒業後に家族心理に関する研究歴を有するまたは、家族の心理面に対する援助経験を有している。
  2. 大学学部において社会学、教育学、医学、看護学、精神保健学、社会福祉学、母子健康学等を専攻し、原則として卒業後2年以上家族心理の研究や家族支援の経験を有している。
  3. 学生会員の場合、大学院の修士課程や博士課程に在学中であること。
  4. 上記1と2の両方と同等と認められる資格や経歴を保有するもの。

これらの4つの条件のうち、1つを持っていないと学会に入会することはできません。

入会費や年会費について

日本家族心理学会に入会し活動するためには入会費と年会費が必要となります。

  • 入会費:2000円
  • 年会費:8000円
  • 学生年会費:5000円

入会が認められた場合は、学会より請求書が発行されるのでそれに従って納入する必要があります。

日本家族心理大会について

日本家族心理学会では年に一度、家族心理における学術大会が開催されています。役員の大学教授の人たちがそれぞれ独自の研究成果を発表する場でもあります。

現在まで37回開催されている歴史を持ち、家族心理における様々な研究成果が発表されています。

日本家族心理学会が主催する研修について

日本家族心理学会では定期的に研修が行われています。家族心理士として活動を行い、理解を深めていくための研修となっています。

参加費は日本家族心理学会員の場合は8000円、学生会員の場合は5000円となっています。また、研修に関しては学会員でなくても10000円を支払うことで一般の人でも参加することが可能です。日本家族心理学会が行っている研修のため、非常に権威性が高く、家族心理士や家族心理アドバイザーとして活動を行っていきたいと考える人に大変おすすめできます。

研修内容は、例えば幼児期における母子間のアタッチメントの形成などについて学ぶことができます。これらの内容は大学などの専門機関に行かなければ得られない知識です。このような家族心理に関する知識を実際に直に専門家から聞けることはなかなかないので参加することをおすすめします。

家族心理学会の学会誌について

家族心理学会では学会員に向けて学会誌を作成しています。家族心理に関する様々な論文を掲載しており、最新の研究結果を見ることができます。

また、一般の人に対しても販売がなされており、メディカルオンラインでは論文1つを660円で購入することが可能です。バックナンバーからの購入も可能なので自分が知りたい情報にアクセスし、専門的な知識に触れることが可能です。

メディカルオンライン:https://mol.medicalonline.jp/archive/select?jo=dp3famps

一般社団法人 家族心理士・家族相談士資格認定機構

日本家族心理学会では、日本における家族心理の普及を目的に日本家族カウンセリング協会と連携し、「一般社団法人 家族心理士・家族相談士資格認定機構」を設立しています。この機関では日本における専門家の教育を目的に研修や資格認定試験の実施などを行っています。

ここでは一般社団法人 家族心理士・家族相談士資格認定機構について説明します。

研修について

「家族心理士・家族相談士資格認定機構」では、日本家族心理学会と同様に研修を行っています。講師には様々な権威のある教授が登壇し、家族心理に関する専門的な知識を教授してくれます。

例えば、東京大学の名誉教授である亀口憲治氏が登壇し、「安全で効果的な家族の面接の技法を学ぶ」と題し、実践的な面接技法などを講義してくれています。家族心理士や家族相談士として活動していきたい人には大変おすすめできる研修といえます。

家族心理士・家族相談士認定審査について

「家族心理士・家族相談士資格認定機構」では、家族心理士及び家族相談士の認定審査を実施しています。家族心理臨床研修センターが実施している「家族心理士研修課程」を修了し、家族援助の臨床経験を積むなどの受験資格が必要となります。

これらの資格取得条件をクリアした後に、認定審査として書類審査を実施し、その中で該当する人に対しては後日面接審査を行います。このような審査を経て合格をすると家族心理士、または家族相談士として活動していくことが可能になります。

家族心理学会が母体ともなっているので、家族心理学会の研修や学会誌等で最新の研究に触れつつ、自ら進んで学習をしていくことが大切です。

まとめ

  • 日本家族心理学会は家族心理の発展を目的に設立された
  • 日本家族心理学会への入会は大学での心理学専攻実績や研究実績などの経歴が必要
  • 一般社団法人 家族心理士・家族相談士資格認定機構での研修を受講することで家族心理士・家族相談士の認定を受けることができる