家族心理学についての研究は数多くなされています。家族という大きな母体に、多くの人のつながりがあり、家族心理の視点では「何か問題があった時には強い結びつきをみせるもの」です。思春期の子どもが「友だちが一番」と言いながらも、家族思いの気持ちはかなり大きいのです。家族心理学を研究されている中でも重要な家族心理のポイントをみていきます。

家族心理学研究にみる子育ての重要性

子どもにとって家族はなくてはならないものです。何らかの事情で施設に入所している子どももいますが、子育てをするのはやはり親の役割です。家族心理学研究では、乳幼児期の親依存の年齢から、親離れをしていく児童期、思春期、思春期以降それぞれの年齢で発達段階というものがあり子育ても難しいものです。

家族心理学研究で明らかにされている「親が子どもに行う大切なこと」

家族心理学研究における子育てでの親が子どもに行う大切なことについてご紹介します。

家族心理学研究でも取り上げられる「子どもを励ますということ」

子どもは、よくテストなどでいい点を取ると自慢します。ある子どもがテストで100点近くの点数を取ってその後も親に励まされ、自ら勉強をするようになったという例があります。子ども心理学の研究において、励まされた子どもは伸びるとあります。親の励ましは子どもの自信につながります。子どもに自ら勉強をしてほしい場合や子どもが何かにつまずいたときには、タイミングよく励ますことが必要です。

「逆上がりができない」と訴える体の大きい子どもに対して、親が真剣にその悩みを聞いてあげ、毎日のように公園で励まし続けた結果、ほんの1週間でできるようになったという事例があります。この親は、その子の悩みや頑張りに対して常に向き合うようにしているようです。逆上がりだけではなく、子どもが訴える何事に対しても励ますことを忘れないことが家族心理の「家族のつながりの研究」でも明らかになっています。

家族心理学研究にみる家庭環境とは

家庭環境によって子どもの心は大きく違います。「公明正大な家庭で育った子どもは正義感が強い」という研究があります。家族心理学でも、親が公明正大であれば子どもは悪いことは悪い、善いことは善いという善悪の判断がしっかりできるとあります。これは、日常生活における子育てにとって非常に大切なことで、親は子どもの前だけでなくいつも留意しなければなりません。

ある父親が喫煙家で幼少の子どもの前でも平気で吸っていました。子どもはたばこのにおいが臭いということは感じていましたが、それ以上のことは感じていませんでした。ある時、子どもの見ている前で、吸い終わったたばこを「ポイ捨て」してしまいました。それを見ていた子どもは「親がすることは悪くない。何であってもポイ捨てはOKなんだ。」という思いを持って育っていくことになります。家族心理の研究においても明らかになっていますが、幼少期の子どもは「親が鏡」だということです。「子は親の鏡」という言葉は昔から子どもに善行、悪行が合った場合に用いられる言葉です。

家族心理学研究で子育ての基本は「認めること」

子どもの年齢によっては自分の存在が何かがまだ十分にわかっていないことがあります。幼少の頃から子どもの言動を認めることを続けていくことは重要なことで、自分の存在には価値があることをわからせるようにすることを子育ての中に取り入れていくことは家族心理学の研究でも推奨されています。

「家族心理学研究でも取り上げられる子どもを励ますということ」で述べた「励まし」と共通するところがありますが、親にありがちな失敗として「がんばれ」という励ましだけで終わってしまうことがあります。励ますことも大切ですが、その結果を認めることでさらに子どもは心身ともに大きくなっていきます。家族心理学においても、よい子育ての方法として多くの研究がなされています。

兄弟の関係性についての家族心理学研究

子どもによっては、下の子(弟や妹)ができると、敵意を持つようになります。母親が取られるという不安が下の子への敵意につながります。もし、親がそれについての家庭教育を怠れば、その子どもは「誰に対しても敵意を持つようになる」という家族心理学の研究もなされています。その子どもはどんな場面でも関係する相手をライバル視するようになります。

メリットとしては社会で強く生き抜くようになるということになりますが、デメリットとしては、もしかしたら人を傷つけるようなこともあるということです。子どもに兄弟を持つ親は子育てにおける平等性を決して忘れてはいけません。敵意は時としてメリットとしていい方向に進みますが、子どもは幼少期には、その判断ができませんから下の子に対してひどいことをした時には強く叱ることは必要なことです。

家族心理学研究にみる「抱きしめること」の重要性

子どもが親を抱きしめることは、家族心理学の研究においても愛着形成の時期においては特に重要とされています。子どもが親を求める幼少期において、親は抱きしめてやることで子どもに大きな安心感を与えるというもので、母親がその役割を果たすことが多いですが、これを怠ると子どもに不安を与えてしまいます。「抱きしめる」という動作は簡単です。しかし、仕事や家事に追われる母親は忘れがちなことです。

人間は「抱きしめあう」と、オキシトシンという物質が双方に体内から分泌され幸福感が増します。親子の場合も同様で、乳児期の「抱っこ」に始まります。抱きしめてオキシトシンを分泌させることが子どもの健全な成長に欠かせないという研究もなされています。家族心理の観点からも「子どもを抱きしめること」は非常に重要なことです。

家族心理学研究からみえる子育てのポイント・まとめ

家族は親子だけではありませんが、「親は子の鏡」という言葉からもわかるように、いずれは子どもが親になり新しい家族を迎え入れるのですから、家族の大きな柱として育っていく子どもの子育ては、家族心理学でも大きく取り上げられています。家族心理学研究では、ご紹介した事例以外にも数多くの「子育て研究」がなされています。親それぞれ、子育てにおいて大切にしたいことを学ぶことが大切です。