家族心理の知識やスキルを教育に生かす取り組みは、心療内科などの病院や学校関係の機関で行われています。家族心理を教育に生かすためには、家族(家庭)と諸機関の連携が重要で、家族が直面する不安や悩みなどの問題を理解してカウンセリングやアドバイスをして支援していきます。

家族心理にみる家族の現状を捉え教育に生かす

家族は、結婚、出産という営みを持って構成されます。この構成メンバーの年代は乳児から高齢者まで家族によってさまざまです。また、家族それぞれが、仕事や家庭を持っていますから「家族は日々変化している」といえます。仕事や家庭においては環境が違いますから、仕事や家庭が家族に影響を与えることも少なくありません。家族である親と子、夫婦、親同士、子ども同士などで信頼関係が崩れたり、それに伴って誰かが心に病を抱えたりすることもあります。

家族心理学はそうした問題を研究されて教育実践に生かされています。現代社会において家族問題は、夫婦の離婚問題をはじめ、児童虐待や高齢者虐待、夫婦間のDV、うつ症状による不登校やいじめにまで発展しています。家族心理学の考え方を生かした教育の取組みでは、問題を抱える個人の問題以上に、周りの人(時には家族全体)の問題として捉えられています。

家族心理資格を取得して教育や仕事に生かす

家族心理を教育現場で生かそうという思いで、教育関係者や福祉関係者などが率先して取得している資格があります。これからご紹介する資格は、家族心理学について学ぶことができると同時に資格を取得して仕事に生かすことができます。もちろん、就職や転職において、履歴書の資格欄に「夫婦心理カウンセラー」や「家族心理カウンセラー」と書くこともできますから非常に有利になります。

夫婦心理カウンセラー

夫婦心理カウンセラーは、日本メディカル心理セラピー協会が認定している資格です。この資格取得で勉強する内容は、夫婦関係を中心にして夫婦に関わる人たちの悩みや不安に対してどう解決していけばいいかについて、当事者を中心にカウンセリングを行い、夫婦関係、家族関係の修復する知識やスキルを多くの教育実践事例や家族心理学的立場から学びます。

現代社会において夫婦間自体に起こる問題では、浮気などによる離婚問題やDV、経済的不安などが多く、それらの問題が家族の問題として大きくなっているケースが多いです。その問題一つ一つについてカウンセラーという立場で対応していきますから、家族心理学についての知識やカウンセリングスキルとともに、夫婦心理カウンセラーの資質として、家族一人一人との良好な関係づくりや教育者としてのコミュニケーション能力も必要とされます。

時には、夫婦だけでなく、その子どもに対してのカウンセリングを行うケースもあります。時には夫婦間の問題によって、子どもが不登校になってしまい親子関係の修復にかなりの時間がかかり、子どもの不登校問題がなかなか解決できないというケースもあります。夫婦心理カウンセラー資格を仕事に生かす場合には、教育関係や福祉関係、医療関係などで生徒や利用者、患者本人や家族に対してカウンセリングを行う職場で活躍することができます。

家族心理カウンセラー

家族心理カウンセラーは、日本生活環境支援協会が資格認定しています。資格取得の勉強では、家族心理という視点での心理学についての知識の習得、夫婦や親子、兄弟などに生じる問題についての相談に対してのカウンセリングスキルを学びます。家族間に起こるさまざまな問題は、最悪の場合、家庭崩壊という結末になってしまいます。相談を受けた家族心理カウンセラーはそういう事態を避けるために、それぞれの人の立場に立って親身に相談に乗り、家族すべての人と良好な関係を築くことが求められます。

また、子どもや高齢者へのカウンセリングを行う場合もあります。子どもが夫婦関係に大きく関わっている教育問題に直面することもあります。そういう場合には子どもに対しては教育者という立場で接することも忘れてはなりません。また、家族心理カウンセラーとして高齢者施設で働き、高齢者や家族さんのよきアドバイザーとして非常にやりがいのある仕事に就いている方もおられます。子どもや高齢者を巻き込む夫婦関係の修復には特に慎重にカウンセリングをすすめなければなりません。

夫婦・家族心理カウンセラー資格を講演活動に生かす

上記2つの資格を取得して講演活動をされている方もおられます。学校現場で保護者に対しての成人教育として、また、自治体が主催するカルチャースクールで、実際に家族問題に悩んでいる方々に対して講師という立場で話をされています。このように、家族心理資格はいろいろな場で役に立つ資格として資格取得者が増加しています。

教育現場における家族心理カウンセリングの実践

「どうして家族にこんな問題が起こったのか。」という観点でその理由を探っていきますが、教育現場では、家族心理を家族全体の問題として捉えますから、理由や原因よりもその家族の背景や環境をしっかりと掴む必要があります。例えば、子どもの不登校の問題を考えるときには、教育現場である学校の責任にしてしまうのではなく、夫婦の子どもへの関わり方や学校と家族の連携のあり方など多方面からカウンセリングで迫ることになります。

教育現場において家族の問題には踏み込みにくい事情があります。家族心理カウンセラーなどの資格を持っていれば、家族心理のプロとして信用され、その家族と信頼関係が生まれるはずです。そして、教育現場での家族心理カウンセリングにおいては、家族みんなが問題解決によって成長することも目的として対応にあたることになります。

家族心理の知識やスキルを教育や仕事に生かす・まとめ

今、学校の先生や病院で小児病棟を担当する看護士が、家族心理カウンセリングを学んで日々子どもたちの教育に生かしています。子どもという媒体を通してその子どもの家族がみえてくるからです。問題児と呼ばれる子どもの背景には、家族の中にある大きな問題が潜んでいるかもしれません。また、家族心理カウンセラーとして夫婦の離婚を思いとどまらせ、家族円満になったというケースも多いのです。