家族心理での兄弟比較に関する研究がされています。兄弟の関係は下の子どもが生まれた時に出来上がります。下の子が生まれたときから家族になり、兄弟比較という家族心理に関わる問題も発生します。それが兄弟げんかや母親の奪い合いなどです。また、成人してからも兄弟関係の良し悪しによって問題に発展する場合もあります。(ここでは、兄弟姉妹の比較の問題のことを紹介しますので、兄、弟という表現にします。)

家族心理に関わる兄弟比較の問題

一般的に兄弟は生まれてからずっと成人に近い年齢まで一緒に過ごします。人生の中で兄弟は、それぞれが高めあって、刺激しあって成長していきます。その期間に両親や他者から何度も兄弟比較がされます。その度に兄弟のいずれかが優越感に浸り、一方が劣等感を味わうことになります。家族心理に関わる兄弟関係では、兄(姉)の特性、弟(妹)の特性、兄弟比較などを明らかにしながら研究されています。

家族心理に関わる兄弟比較における「兄」の特性

兄弟比較の中で兄の存在は間違いなく「優越」です。家族心理における兄弟比較では、兄は、両親のはじめての子どもとして生まれてきましたから、両親はもちろん祖父母、親戚、近所の方など、多くの人から可愛がられます。また、弟の誕生で優越感をもつようになり、弟の言い分を否定することが多いです。

家族心理に関わる兄弟比較における「弟」の特性

兄弟比較をする場合、弟は家族心理によっても、兄という存在が大きくありますので兄の様子を見ながら成長します。また、兄の真似をしながら成長します。周りの人からの可愛がられ方は、兄と同様ですが、兄弟が一緒にいる場面ではあくまでも下の子として扱われます。兄との遊びの中では「劣等」を常に持ちながら成長していきます。

家族心理に関わる兄弟比較の「比較する」ということ

兄(姉)、弟(妹)は生まれながらにして兄弟比較されます。母親が一番に兄弟比較をします。それは下の子がお腹の中にいるときから始まります。「この子(下の子)はお腹をよく蹴ってくる。元気がいいんだろう。」という兄弟比較です。「この子(弟)の方が大きく生まれてきたね。」「この子はパパ似だね。」「この子はおにいちゃんと違って・・・」など、兄弟比較は下の子が誕生した時点で始まり徐々に親だけではなく、待ち行く人までも兄弟比較をするようになります。親は「この二人は似ているね。」という内容の言葉はあまりありません。兄弟はこのようにほぼ正反対の比較をされます。

家族心理学では、親が上述のような兄弟比較をすることは問題があると言われています。

兄弟比較では、兄弟どちらか一方を優越に、一方を劣等にしますから、どちらか一方は「自分はだめな人」というレッテルを貼られたように思ってしまいます。一方に「だめ」というレッテルを貼り続けるとほんとうにダメな人になってしまいます。家族心理の研究で「親によって過剰に比較されてきた子どもは不安を強く持つようになる」とあります。

また、子どもは悪いレッテルを貼ることで「私は感情的なのだ」「私は人に優しくないのだ」というように「そのような性格だ」と自覚してしまい、本当にそのような性格になります。そのように育った子どもは、大人になっても多くの人と「自分は悪い性格を持っている」という思いでつきあって行くことになります。

このように、兄弟比較に悪いレッテルは、その人の人生そのものにまで影響します。家族心理学の観点からも兄弟比較はできるだけしない方がいいのです。子どもの人生に大きな影響を与える兄弟比較には十分配慮が必要です。家族心理学の研究の中でも兄弟関係がそれぞれの人生に大きく影響するとされています。また、それぞれの人間関係や目標、関心などに違いが生じ仕事や結婚などの人生における選択に影響します。

家族心理に関わる兄弟比較で考えたいこと

「遺伝」による兄弟比較は成功に影響が

遺伝は確かにあります。しかし、家族心理学の研究からも同じ親から生まれた兄弟で、同じ家族(遺伝子が同じ)から成功者が何人も出るというものではありません。成功という要素だけで考えた時に、同じ遺伝子を持っているからといってどちらも成功するとは限らないということです。兄弟比較が大きくなればなるほど遺伝による両者の成功の確立は小さくなります。

「環境」による兄弟比較は兄弟関係を悪くする

そこで考えられるのが環境です。同じような環境で育つ兄弟ですが、ご紹介しましたように、親などによる兄弟比較によって性格や関心の違った人になっていきます。家族心理の研究においても親による数々の不平等な扱いによって、例えば上の子が成功者となり、下の子が問題行動を起こすという結果になったり兄弟関係が疎遠になったりしていきます。

「競争」による兄弟比較は否定的な場合と肯定的な場合がある

幼少の頃からの兄弟比較は、必然的に行われますが、その中で兄弟は競争をしています。幼少の頃の兄弟が競争したときに上の子が上位の位置にありますから、下の子は負けて当然です。しかし、児童期、思春期と年齢が上がっていくと、いろいろな面で下の子が上の子を上回ることもできてきます。そういう時に兄弟それぞれの心の内面に競争心が起こります。その競争が否定的な場合と肯定的な場合があります。

家族心理の兄弟比較からみえる「支援」しあえる兄弟

兄弟によっては、兄弟比較において遺伝、環境、競争などで兄弟間格差が生まれない場合、兄弟がお互いを支援しあうようになります。否定的な兄弟比較によって育った兄弟は疎遠になったり相手を打ち負かしたりしますが、肯定的な兄弟比較によって成長していくと、誰よりも強力な支援をし合います。

家族心理学の研究でも、お互いが兄弟比較による認め合い(Aについては兄が上、Bについては弟が上と認め合うこと)を行えば励みにもなり、人生の満足度も非常に大きくなるということがわかっています。家族心理における兄弟比較では、お互いが高めあう前向きな兄弟は、上述の競争においても健全で、それぞれの学習や仕事を支援するようになります。幼少からの兄弟比較によって兄弟それぞれもお互いを意識しています。

家族心理での兄弟比較、関係の問題と兄弟の絆・まとめ

上述のように、「支援」しあえる兄弟になるためには、幼少の頃からの親の教育・支援が重要です。家族心理研究でもみられる「兄を上の子と思わない」という考え方もありでしょう。兄弟を公平に育てることは難しいことですが、親の義務として努力をしなければなりません。