現在の日本では家族というくくりに多様性があり、それに伴って様々な問題が起こるようになっています。その中で子育てに関する悩みは非常に多く、「何故、自分のいう事を聞いてくれないのか」と頭を抱える親も少なくないです。

そのような時には家族心理を学ぶことをおすすめします。子どもの問題行動には様々な原因が複雑に絡まっている場合が多く、発達障害などを除けば親の問題が原因で子どもが問題行動を起こすことも十分あり得ます。

ここでは家族心理と子どもについて解説します。

家族心理を子育てに役立てる

近年、子どもが抱える問題行動は増加傾向にあります。その背景としてあるのが核家族世帯の増加や近所付き合いの現象です。今までの日本においては親子3世代が一緒に生活を送ったり、近所付き合いを密に行うなど周りの環境によって自然と親へのなり方を学んでいました。しかし、近年の家族形態の変容により、親へのなり方を学ぶことができず、親としての適切な役割がなされないことがあり、子どものしつけや教育に悩む人が増えてしまっています。

その中で、家族心理は家族を一つのシステムとして捉え、その中で親と子あるいは夫婦間の適切な関わり合いを構築することで望ましい家族関係の発展を目指します。

親は子どもとどう関わるべきか、夫婦関係と子育てはどうすべきかを心理学を基に明確にしていきます。

子どもの問題行動

子どもは成長の段階に合わせて問題行動を起こすようになります。例えば下記のような行動です。

  • ウソをつく
  • 注意してもやめない
  • 聞こえないふりをする
  • 癇癪を起こし、物を壊す

これらの行動を見ると親はどうしても「自分の子どもは“悪い”」という風に捉えてしまいます。しかし、全ての問題が必ずしも“悪いこと”とは言えません。

たまに起こる問題行動は成長に伴って自然と起こりえる

上記に示したような問題行動がたまに出るのは子どもが成長している証拠でもあります。言語能力が発達してくると言葉で伝えたいという欲求や言葉を介したコミュニケーション能力が発達します。また、脳の発育に伴い承認欲求や所属欲求といった、誰かに注目されたいといった気持ちが強く出るようになります。この言語発達と欲求の発達によって、誇大な話や作り話など嘘をつく行動を行うようになります。

また、小さいながらも子どもは自立心を徐々に見せます。何かを自分の思うとおりにやりたい。親の言う通りではなく、自分の想像通りに物を動かしたいという気持ちが強くなります。この時に自分の思い通りにならなかったり、親が指示を出し過ぎてしまうと自立心の妨げとなり、子どもは癇癪を起したり無視したりします。

問題行動とみられる行動も、子どもからしてみればただ単に自立したいだけという事が十分あり得ます。

頻繁に起こる問題行動は子どもからの親へのメッセージと捉える

このような問題行動がたまに起こるくらいなら成長の証として大きく構えることもできますが、頻繁にとなると親としての関わり方に問題がある場合があります。頻繁に暴れまわったり、他の子を攻撃する場合は単純に「構ってほしい」という思いがあります。

例えば、親が親として子どもに時間を割かず、仕事ばかりしていたり、スマホばかり見ていたりすると、子どもは注意を引こうとし、問題行動ばかり起こすようになります。

親としてその思いをしっかりと受け止め、子どもとの信頼関係を構築する時間を作ることが必要になります。

子どもの問題行動と夫婦間問題

ある程度子どもが成長した家庭において起こりえるのが「分離化・固体化」の阻害です。分離化や固体化は発達心理学の用語で、子どもが親から自立するために親離れしていく心理的な成長を言います。健全な親子関係であれば、子どもは一定の年齢に来るとこの親離れをすることで自分を一人の自己として確立します。親はこの親離れに対してしっかりと子離れすることで子どもの成長を邪魔しないようにするのです。

しかし、夫婦間の問題などでこの親子関係がこじれると問題が生じます。よくある例として夫婦間の問題を夫婦だけで解決することができず、子どもを巻き添えにしてしまうパターンです。

例えば、旦那に対して不満を抱いている妻が旦那の悪口を子どもに言う家庭環境があった場合、その課程の子どもは言わば母親のカウンセラー役として存在することになります。そのため、母親は「子供がいないと生きていけない」というある種の依存状態となり、子どもが大人になることを邪魔してしまいます。

このような状態が続くと、子どもはなかなか大人になることができず、成長できなくなってしまいます。成長できない子どもは、その内成長することに対する挫折を覚え、逆に成長を逆行する形を取り出します。

これを心理学用語では「融合」と呼びます。つまり、赤ちゃん返りをしてしまい、親が成長を阻害するのであれば親に甘えてしまおうという考え方に切り替わってしまうのです。しかし、この自立は人間として一般的な壁であり、誰もが普遍的に乗り越えて行かなければならないものです。これが自分の力で成し遂げることができなかったという挫折感は子どもに大きな絶望感を与えます。

その結果、引きこもりになったり、摂食障害などあらゆる精神疾患の原因にもなります。子どもがある程度の年齢になった場合には、子どもは子ども、自分は自分という気持ちをしっかりと持ち、必要な距離感を保つことが必要です。

また、夫婦間の問題は子どもを巻き込んだりせず、夫婦でしっかりと解決していくことが望ましいと言えます。そのためにも家族心理を通して、適切な夫婦関係の構築を学ぶことが重要です。適切な夫婦関係の構築は、夫婦の危機を回避するだけでなく、子どもの健全な成長にも必要不可欠になります。

子どもが問題行動を起こすとき、それを子どもの問題としてしまうことは簡単ですが、今一度自分たちを振り返り家族としての在り方を考え直すのも大切です。

まとめ

ここまでをまとめると、子どもの問題行動は「成長によるもの」と、「親との関係性によるもの」の2つがあるということです。

親が子どもと適切な関係を築けないと子どもの問題行動は加速してしまいます。子別れできない親の元にいる子どもは精神疾患にかかりやすいという結果があります。そのため、家族関係や親子関係の距離感はとても大切だということが分かります。他人事と思わず、自分自身と子供に向き合って考えてみましょう。