金子書房という出版社をご存じですか?日本家庭心理学会の学会誌「家族心理学研究」の発行を始め、心理の専門書や教科書、児童心理の専門書や雑誌の編集・出版をしている企業です。また、日本で利用されているあらゆる心理検査を輸入、開発するメーカーでもあります。どのような業務を行っているかを、くわしくご紹介します。

学会誌「家族心理学研究」を刊行する金子書房とは?

日本家庭心理学会の学会誌である「家族心理学研究」を発行する金子書房では、心理の専門書を始めとしたあらゆるジャンルの専門書や教科書を編集・出版する、日本有数の企業です。心理学科系の大学の教科書で見たことのある方もいるかも知れません。編集・出版しているジャンルや内容には、どのようなものがあるのでしょうか?

心理の専門書を出版

まず第一に挙げられるのは、心理学系の専門書や学術書の編集・出版です。家庭心理を始めとして、これまでに広範囲に渡る本を編集・出版してきました。カウンセラーやキャリアコンサルタントを対象にした本も数多く取り扱っています。大学の授業の教科書も数多くあるのも特徴です。認知行動療法を始めとする心理療法や、発達障害やADHDなどの病理やクライエントの扱い方を論じた本は、その代表的なものと言えるでしょう。

教育の専門書を出版

教育心理や学校心理学を交えた教育書や手引きの編集・出版も行っています。子供や保護者との関わり合いについて教師にとっての行動指針ともなる教育の専門書は、内外で高い評価を得ています。また、特別支援教育や保育、看護に至るまで、子供や患者のこころに寄り添ったケアが行えるようサポートする専門書も豊富です。これらは各教育機関で教材としても使用されており、既に出版されている専門書が教科書採用されることもあります。

心理検査メーカー

金子書房は心理検査のメーカーとしても知られています。国内で使用される、あらゆる心理検査キットのシェアは金子書房が占めており、学校を始め心療内科や精神科の診療時を始めカウンセリングや司法・警察、また企業の採用活動など、広い範囲で利用されています。心理検査の種類によっては購入資格が必要で、取り扱っている心理検査はわかりやすく3段階に分かれています。その場合は金子書房に個人情報を登録して購入する必要があります。

学会誌「家族心理学研究」を刊行する金子書房の代表的雑誌

金子書房では書籍の他、心理をテーマにした雑誌も取り扱っています。それが、日本家庭心理協会の学会誌「家庭心理学研究」と月刊「児童心理」、及び「児童心理」の増刊・別冊号です。それぞれ専門性の強い雑誌として知られていますが、一般にも広く読まれています。どのような特徴があり、どのように活用されているのかをご紹介します。

学会誌「家族心理学研究」

日本家庭心理学会の学会誌である「家族心理学研究」は、日本家庭心理学会の根幹を担う研究誌として半年に一度発行されています。年に一度行われる日本家庭心理学会の大会で発表された研究論文の他、学会員による新たな研究が毎回誌面をにぎわせています。家族という核となるテーマをもとにして子供、親子、夫婦、そして家族に通ずるあらゆる問題を扱っています。身近な問題からシステム論的な研究まで、あらゆるテーマを扱います。

月刊「児童心理」

月刊「児童心理」は、教師や子を持つ親向けに発行されていた月刊誌でしたが、2019年3月を以て現在は休刊中です。発行当時はタイトルの通り、児童心理とそれを取り巻く環境や人との関わりをテーマに様々な記事を発表していました。現代の子供が置かれている環境は複雑で、一概に正しい、間違っているとは言えません。これらを丁寧にひもとき、子供、教師、親にとってベストなゴールにたどり着く手がかりになる雑誌として定評がありました。

月刊「児童心理」増刊・別冊

月刊「児童心理」増刊・別冊は、通常刊行されていた月刊「児童心理」では伝え切れないことを伝える媒体としての役割がありました。2019年3月の月刊「児童心理」休刊に伴って新たに発行されることは現在のところはありません。しかし、子供にかかる心理的ストレスや虐待、いじめに対する教師の関わり方を更に深く掘り下げた企画など、教育やしつけ、育児の一助になる記事が多く、現場と臨床をつなぐ役目を果たしていました。

学会誌「家族心理学研究」を刊行する金子書房の意外な事業

金子書房では心理学やカウンセリング、教育に関わる本の出版の他、意外な事業も行っています。日本国内の精神治療やカウンセリング、心理検査になくてはならないものであったり、教師や保育園教諭、カウンセラーにとって必要な心がまえを説いた本、また、大学の心理学科の教科書になっている本もあります。くわしくご紹介します。

心理検査メーカー・版元

金子書房では、国内の精神治療、カウンセリング、心理検査に使われる各種心理検査キットの販売を行っています。これらの心理検査は以下の3種類に分かれます。基本的な知識があれば誰でも購入できるもの、大学の心理学科、または大学院卒業、あるいはそれらと同等の訓練を受けた方に販売できるもの、特定の心理検査については、この条件に加えてその実施のための訓練を受けた方のみ購入できます。

心理検査セミナーの実施

あらゆる心理検査キットを取り扱う中、心理検査の種類によってはスムーズな実施のためにセミナーを実施しています。たとえば、生後12ヶ月以上を対象に実施するADOS-2は、自閉症スペクトラム症の評価を行うためのキットです。成長に応じてキットの種類が分かれ、専門性が高いため、使用にあたってはセミナーを受講し、注意点を把握する必要があるとされています。今後他にも、セミナー受講を要するキットが出てくる可能性もあります。

心理系の教科書の編集・出版

あなたが大学の心理学科の学生なら、金子書房から出版された教科書を見たことがあるかも知れません。金子書房では、大学の心理学科を中心に利用されている教科書の編集・出版も行っています。元々は専門書として出版されたものが教科書になるケースもあります。発達障害児との関わり合い方や学校教諭としての生徒指導について、また認知行動療法や家族療法を始めとした心理療法についての教科書など、その範囲は多岐に渡ります。

まとめ

学会誌「家族心理学研究」を出版している金子書房についてご紹介しました。家族心理学に関する本の出版を行う一方、大学の心理学科向けの教科書や心理検査キットの販売を行っていることがわかりました。特色ある事業に絞ってご紹介しましたが他にも多々出版していますので、ぜひホームページで確認してください。